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はじめに|海外取引は「知っているかどうか」で結果が大きく変わる
自社製品を海外に輸出し、すでに取引を開始している企業にとって、次の課題となるのが「海外取引特有のトラブルをいかに防ぐか」である。
海外取引では、言語・商習慣・法制度・物流環境が日本とは大きく異なるため、国内取引と同じ感覚で進めると思わぬリスクを抱えることになる。実際、海外取引のトラブルは「相手が悪い」のではなく、「事前の確認不足」や「条件の曖昧さ」に起因するケースが多い。
本コラムでは、海外取引 トラブル防止という観点から、輸出実務で最低限押さえるべきポイントを整理し、実務担当者・管理部門・営業責任者にとって役立つ情報を解説する。

海外取引で起こりやすいトラブル事例
海外取引で頻発するトラブルには一定の傾向がある。
代表的なのは以下のようなケースだ。
- 契約内容の解釈違いによるクレーム
- 仕様変更や品質基準に関する認識不足
- 代金の未回収・支払遅延
- 輸送中の破損・紛失
- 通関遅延による納期トラブル
これらは突発的に起こるように見えて、実は事前に防げるものがほとんどである。重要なのは、「海外取引はトラブルが起こる前提で設計する」という視点を持つことだ。
契約・条件確認で最低限押さえる点
海外取引において、契約書や取引条件の確認は極めて重要である。
特に以下の点は必ず明文化しておく必要がある。
- 製品仕様・許容差・検査基準
- 価格条件(通貨・為替リスクの扱い)
- Incoterms(FOB、CIF などの貿易条件)
- クレーム発生時の責任範囲
- 紛争時の管轄・準拠法
「これくらいは伝わっているだろう」という認識は、海外では通用しない。書面に記載されていない事項は、存在しないのと同じと考える必要がある。

代金回収・支払条件の考え方
海外取引で最も経営に影響を与えるのが代金回収リスクである。
支払条件には、前払い、L/C(信用状)、D/P、D/A などがあるが、相手国や取引実績に応じて適切に選択しなければならない。
売上を優先するあまり、リスクの高い条件を受け入れてしまうと、未回収という最悪の結果を招く可能性がある。「売れること」と「回収できること」は別問題であり、管理部門と営業部門が連携して判断することが不可欠だ。
物流・納期トラブルを防ぐには
輸出における物流は、納期・コスト・品質すべてに直結する重要な要素である。
船積みスケジュールの遅延、港湾混雑、通関トラブルなど、海外物流には不確定要素が多い。
そのため、余裕を持った納期設定、適切な梱包仕様、輸送条件の明確化が必要となる。また、輸送中の事故に備えた保険の付保も欠かせない。物流を「作業」と捉えず、「リスク管理の一部」として設計することが重要である。

商社が間に入る意味とは
こうした海外取引のリスクを軽減する手段の一つが、海外取引に強い商社を活用することである。
商社は、契約条件の整理、代金回収リスクの管理、物流調整、現地とのコミュニケーションなどを一括してサポート・代行できる。
SOLID GLOBAL は、単なる仲介ではなく、実務レベルで海外取引を支援するパートナーとして、企業の輸出ビジネスを支えている。
「海外取引に不安はあるが、社内だけで対応するのは限界がある」と感じている企業にとって、商社をうまく活用することは、事業拡大の近道となる。
おわりに|リスクを管理できれば海外取引は成長の武器になる
海外取引はリスクがある一方で、正しく管理すれば大きな成長機会となる。
重要なのは、経験と知識を積み重ね、信頼できるパートナーと共に進めることである。
海外輸出・海外取引の実務やリスク管理について課題を感じている場合は、早い段階で専門家に相談することで、多くのトラブルを未然に防ぐことができるだろう。
SOLID GLOBAL では、企業ごとの状況に応じた実践的な海外取引サポートを行っている。今後の海外展開を検討する上で、一度相談してみる価値はあるはずだ。
