高品質なMADE IN JAPANの産業機械は、海外でも高い評価を得ています。とはいえ、やみくもに輸出を始めても、現地に需要がなければ継続的な販売にはつながりません。まずは「自社製品の需要が見込める国」を見極めることが、海外展開成功の第一歩です。
本記事では、産業機械メーカーが海外需要の高い国を調査するための基本ステップを紹介します。
目次
輸出統計・貿易データを活用する
次の輸出先を探すヒントは数字の中にあります。
海外需要を知るための第一歩は、データに基づく客観的な分析です。以下のような公的データは無料で利用でき、非常に有用です。
- JETRO(日本貿易振興機構)の「世界貿易投資報告」
- UN Comtrade:国連提供の国際貿易統計データベース
- 貿易統計(財務省):日本からの輸出実績を品目別・国別に確認可能
たとえば「金属加工用工作機械」というカテゴリで、近年輸出量が増えている国を洗い出すと、その国では同様の機械の需要が高まっている可能性があることが分かります。

現地の産業動向や経済発展段階をチェック
どの国でどんな機械需要が高まるのかが見えてきます。
次に注目したいのは、対象国の産業構造や経済発展段階です。
- インフラ整備が進む新興国では建設機械の需要が伸びる
- 工業化が進む国では加工機械や検査機器のニーズが高まる
- 食品産業が盛んな地域では包装機器や製造ライン機器が求められる
現地で進行中の大型プロジェクト(例:中東のメガシティ構想)や、特定分野への政府投資計画があれば、そこに必要となる機械設備への注目度も上がります。
検索トレンドやWeb調査も有効
Google Trendsや展示会データで、世界の関心と需要の広がりを掴めます。
Google TrendsやSNS、業界メディアを使ったリサーチもおすすめです。製品カテゴリー名を英語で検索し、どの国で多く検索されているか、話題になっているかを確認すれば、市場の関心度をリアルタイムで把握できます。
また、海外の見本市や展示会の出展状況・来場者国別のデータも、ニーズを測る参考になります。

実際に現地バイヤー・商社とコンタクトを取る
市場の生の反応を知る近道は、現地バイヤーや商社との直接のつながりです。
定量調査だけでなく、現場の声を集めることも重要です。現地商社や輸入業者に製品を紹介し、反応を見ることで、
「価格帯が合っているか」
「競合製品との違いはどこか」
「スペックが現地基準に適合しているか」
といった具体的なニーズが明らかになります。
現地調査・テスト販売も視野に入れる
テスト販売やデモを活用すれば、現地市場の本当の反応を見極められます。
より確実な検証のためには、限定エリアでのテスト販売やデモンストレーションも有効です。現地販売パートナーと連携することで、実需に即した反応を収集し、製品仕様や販売戦略の最適化につなげることができます。

まとめ:調査から販売戦略まで、ワンストップで支援します
海外への第一歩は「情報収集と仮説立て」から始まりますが、限られたリソースの中で本格的に取り組むのは簡単ではありません。Solid GLOBALでは、産業機械の輸出支援に特化した専門チームが、市場調査・現地商談・輸出実務までワンストップでご支援しています。
「うちの機械、どこで売れそう?」そんな疑問をお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。